VS リーマン
「はじめまして、会社員のカズヤといいます。今日はよろしくお願いします。」
「あ、はじめまして。リンゴといいます。」(さ、さわやか~清潔感~)
「りんごさんは、OLをされてるんですね?」
「はい、××っていう会社で事務とか色々やってるんです。かずやさんは?」
「ええ、××証券会社で働いてます」
「へ~すごく有名な企業じゃないですか!」
「いえいえ、日々いっぱいいっぱいですよ笑」
その後、他愛のない会話が続く。
しかし、なんともこれが心地よい。
私がデブであることを忘れさせてくれる。
一人の異性として接してくれている。
会話が途切れない。
楽しい。
嬉しい。
素敵。
好き。
らーらららーららーーーーーーーーー
ーん、らんらんらーん♪
カズヤさん ◎とメモを取った。
出会い編~デブ彼女の場合~
VS オサレさん
「はじめまして、オレ、シンゴっていいます! りんごさん、めっちゃオシャレっすね! その服めっちゃいい感じっすよ! てか、体重が♥♥♥ってなんすか?笑 ここに来てる人たいてい70キロオーバーっしょ!りんごさんめっちゃおもろいっすね!
「・・・ ははは、いやー体重は永遠の40キロです。テヘ(^^ゞ」(なにがおもろいねん)
「40キロてそんなわけないっしょ!笑 俺、めっちゃ太ってる人好きなんすよ!」
「あ、そうなんですね~どういうところが好きなんですか?」(直球な人やな)
「いやーやっぱ、気持ちいいっしょ!」
「気持ちいい?」
「二の腕とか、お腹とか、めっちゃつまみたくなるんすよ!」
「へ~」(なるほど。そういうニーズがあるのか)
「でも、やっぱ、巨乳最高じゃないっすか?」
「あ、あ~確かにみなさん、大きくていっらっしゃいますもんね。」(おのれ、ワシの貧乳見て言いやがったな)
「そうなんすよ!だから、めっちゃテンションあがりますわ!」
「そうですね。いい人見つかるといいですね」
「ちょっと狙ってる人いるんで、応援してくださいね!んじゃ!」
「あ、はーい!では、ありがとうございました!」
・・・
・・・
・・・
・・・
まだ、時間は2分以上余っている。
オサレさんは、スマホを熱心に見ている。
私も、特にメール等届いていないが、スマホを見るフリをする。
そして、普段絶対に見ないような、日本全土の天気図など眺めることにする。
梅雨前線停滞中。
私の三段腹に。
そして、「シンゴ ×」とメモをとった。
VS 大学生
「はじめまして!」
「はじめまして」 (わぁさわやかな笑顔)
「たっくんといいます!22歳です!よろしくお願いします!」
「あ、こちらこそよろしくね。私は29歳です。ごめんね、こんなデブおばさんで笑」
「いえいえ、みなさん素敵な方ばかりで嬉しいです!」
「そうですか?!嬉しいな」 (ほんまにそう思ってんのかいな)
「お仕事はなにされてるんですか?」
「はい、××でOLやってます。たっくんさんは、大学生ですよね?」
「はい、今年卒業で、××に内定もらってます」
「へぇ~!すごいじゃないですか」(こいつはチェックと。)
「いえいえ。ところで、今回は初めての参加ですか?」
「はい、こんなデブ普通のパーティじゃ、相手にしてもらえないので笑 たっくんさんは?」
「はい!僕は8回目です!!」
「あ、そうなんですね!頼もしいですね」
自分で頼もしい言っておきながら、なにが頼もしいか分からない。
この人常連さんだ。
それだけは分かった。
そう、まるで、馴染みの居酒屋で、おやっさんに、「いつもの」と頼むような感じで私を見定めているのではあるまいか。
へい、らっしゃい。
いつものデブあるよ。
「なかなかカップルになれないんですよね。なぜでしょう笑」
これはヤバいでぇ!!
こいつはどこかに致命的な欠陥があるでぇ!!
しかし、わからない。わたしにゃあ、わからない。
悔しい。20秒前の自分が悔しい。男を見る能力が著しく衰えている!
くっそー落ち着け!
相手をよくみろ!
外見じゃない。奥底の本心を見抜くのだ。
じーーー。
じーーーっと見た。
相手の心の奥まで見た。
けど、わからない。
ごめんなさい!!
もういやーー!!
私は、
「たっくん ×バツ」
とメモをとった。
レッツパーティ!!
ひとしきり涙を流したところで、パーティの開始時間。
私たちデブは席に座ったまま。
デブ専たちが、回転寿司みたいにグルグル回ってきます。
持ち時間は一人3分。
3分×21人で、約1時間もしゃべりっぱなしの予定。
ささっと、歯に海苔のようなものが付着していないか確認。
と同時に、口臭濃度も確認。
オッケー
ミントの香りがするぜ!!
絶対に負けられない戦いがそこにある。
体重!?
テンションがマックスになったところで、
彼女は、プロフィールカードに記入を始めます。
ニックネーム
実名じゃないのか。
じゃあ、適当に、りんごちゃんで!
年齢
今年で30なんだよな、、
誕生日は来月だから、まだ29歳よ
趣味
えっと、夜11時ごろに、カップヌードルを食べながら、ネットサーフィンをすること!!
そんで、風呂上りにアイスを食べる。
いや、いかんいかん。。
趣味と体型がピッタリすぎるな。
一度やって挫折したけど、ジョギングと。
一応、デブなことは気にしていますというアピールにもなるし。
好きなタイプ
向井理ちゃん
ドラマは全部ハードディスクに保存してます
いや、いかんいかん。。
デブのくせに、理想は高いとか思われる、、
えー、優しい人。思いやりのある人。
あなたはどんな人ですか
恥の多い生涯を送ってきました。
学生時代ついたあだ名は、90パーセント、豚関係。食べ物関係。
太っているイコール明るいキャラという、世間のイメージに苦しめられ、無理やり体を張って笑いを取ってきました。
私だって、テンション低い日もあるんです。
友達と会うたびに、ダイエットしてるかと聞かれ、「見たらわかるでしょ!笑」というやりとりは億数回。
ダイエットは何度も真剣にトライしてきました。
バナナリンゴブレス塩麹、、
バナナを食べながらロングブレスをして、のどに詰まらせたこともあります。
私は一生懸命です。ただ、デブなだけなんです。
こんな私をだれかもらってください。
いや、いかんいかん。
泣ける。
えっと、
いつも明るいといわれます。
悩み事は寝たら忘れるタイプです。
一緒に旅行に行けるパートナーに会えたら嬉しいです。
これで、いいよね。
あなたの体重
ん?
たたたたたたたったたたあったたた体重体重体重体重体重体の重さ体の重さ体重多々たたたたたったたたったたたた
を書かせるだと!!
ぐぉおおおおおおおおお!!
乙女にそれを公開させるだとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
心の中でむせび泣きました。
そして、
私は、渾身の力を振り絞って、こう書いたのです。
ヒ♥ミ♥チュ♥
20人のデブをまとめて見ると、圧迫感が半端なかった。
パーティー会場が狭く感じたほどだ。
自分もこんな圧迫感を放っていると思うと、なんとも悲しい気持ちになるよ。。
彼女はデブを1人1人じっくり観察し始めます。
大学生風デブ、オシャレをしたOL風デブ、落ち着いた雰囲気をもったアラサーデブ、大人の色気をムンムンさせているアラフォーデブ、推定体重100キロオーバーの横綱級デブ、、
デブのお花畑や、、
しかも、みんな
巨乳!!でっかいでっかい地球!
私なんて、デブのBカップなのに、、
これは、負けるかも。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン
男はどんな人が来ているんだろう。。
続く
彼女はデブ20人が集まる部屋に入ります。
受付をすませ、彼女は辺りを見渡す。
そこは、中学校の教室ほどの大きさの会議室。
パイプ椅子が男女対面になるように、綺麗に並べられている。
そして、ぎっしり詰めこまれたデブ20人
な、なんだこの壮大な風景は、、
こんな美しい景色がこんな都会にまだあったなんて、、
彼女は、自分がデブの一員であることを忘れ、詰めこまれたデブに圧倒されます。
その後、落ち着きを取り戻し、21番の札が張られているパイプ椅子に座る。
すると、
ん?
狭い。
よく見ると、私のお肉と隣のお肉が密着している。
隣のお肉と、その隣のお肉も密着している。
暑い。
20人のお肉とお肉がぶつかり合って、熱を発しているじゃないか!!
彼女は、そんな信じがたい事実に気が付きながら、どんなデブとデブ専が来ているのかをチェックし始めるのである。
すると、、
その3に続く。
おお、私の仲間よ!こんな所に集合していたのか!
彼女は、ぽっちゃり、デブ好きな男性が集まるパーティに参加するのです。
彼女は自分の「デブ」をそのまま受け入れてくれる男性はいないかと探し出します。
もう、普通の婚活など負け戦はしないぞ!
「デブ専はどこにいるのかな?」
とりあえず、「デブ パーティー」で検索。
何件かヒット!
おお!デブ、ぽっちゃり好きが集まるパーティがあるじゃないの!ヾ(´ω`=´ω`)ノ
早速ポチっ。
ドキドキ、、
でも、私みたいな本当のデブは少ないんだろうな。
ちょっとぽっちゃりしてるだけで、私デブって言われるんですよ~って女がいたらしばく!!
70キログラム以上じゃないとデブとは認めない!!
そして、当日。
8月の日差しが容赦なく,彼女のお肉を照りつける。
ジュージューと。ではなく、ジリジリと。
彼女は会場のドアを開けると信じられない光景を目の当たりにするのです。
そこは中学校の教室ほどの広さのある会議室。
デブが20人ほどずらーっと並んでパイプ椅子に座っているではありませんか。
こ、こんなにデブ(同志)が集合するなんて(゚∇゚ ;)エッ!?
その2へ続く
体重は80キロくらいあったでしょうか。
これを「デブ」と表現するか「ぽっちゃり」と表現するかは、あなた次第です。
一般的には「デブ」となるのでしょうね。
どのお店に行っても、彼女にとって「大盛」という選択肢以外ありえません。
「レディースセット」など、「余計なことしてくれるなワレ」ってな感じでしょう。
彼女は、とても明るく、快活で、優しい性格です。
相手への気遣いもとてもよく出来ます。
お付き合いさせていただいているときは、彼女の優しさに触れ、何度も助けられました。
しかし、彼女は、幾度となく参加したパーティーで男性に相手にされることはありませんでした。
「太っている」ことは一般的なパーティでは大いなるマイナス要素なのです。
彼女はパーティに参加するたびに傷つき、自信を失っていきました。
しかし、負けてばかりではいられません。
彼女はここで頭を使い始めるのです。
どんなにお化粧して、綺麗にしたって駄目だ。
デブが好きな素敵な男性に出会おう!!